本書の概要

麻田雅文氏による『日ソ戦争 帝国日本最後の戦い』は、1945年8月の終戦前後に展開された、日本史上極めて重要でありながら見過ごされがちだった戦争の全貌を、最新の史料を駆使して描き出した画期的な一冊です。本書は発売後、朝日、読売、毎日、産経、日経の新聞5紙全てで書評が掲載されるという快挙を成し遂げ、その学術的価値と社会的重要性が広く認められました。

これまで断片的に語られてきたソ連の不可侵条約破棄、満洲や南樺太・千島列島での戦闘、シベリア抑留、そして北方領土問題の原点までを、アメリカの対ソ参戦要請という国際政治のダイナミズムから一気通貫に解説。単なる戦史にとどまらず、この戦争が現代の東アジア情勢、とりわけ日露関係や朝鮮半島分断、中台問題にまでいかに深い影を落としているかを鮮やかに解き明かしています。歴史の空白を埋め、現代を読み解く鍵を提供する、まさに必読の書と言えるでしょう。