ポピュリズムの仕掛人

SNSで選挙はどのように操られているか

本書は、現代政治の裏側で暗躍する「カオスの仕掛人」たちの実態を暴き出す、衝撃的なノンフィクションです。ドナルド・トランプ、イギリスのEU離脱、イタリアの「五つ星運動」——これらの現象の背後には、SNSのアルゴリズムを駆使し、人々の「怒り」を煽って政治エネルギーに転換する戦略家たちがいました。本書は、スティーブ・バノンをはじめとする仕掛人たちの具体的な手法を詳細に解説し、民主主義が直面する危機の本質を明らかにします。

読売新聞で紹介され、東京大学の板橋拓己教授も推薦するなど、その分析力は高く評価されています。世界各国の選挙のたびにベストセラーとなる本書は、混沌とする現代政治を理解するための必読ガイドブックと言えるでしょう。著者は、客観的な事実が揺らぐ現代を「量子政治学の時代」と名付け、私たちがどうこのカオスに向き合うべきかを鋭く問いかけます。

著者について

ジュリアーノ・ダ・エンポリ (Giuliano da Empoli)

政治学者、作家

  • 1973年、フランス・パリ生まれ。イタリア人の父とスイス人の母を持つ。
  • ローマ・ラ・サピエンツァ大学卒業後、パリ政治学院で政治学の修士号を取得。
  • フィレンツェ市の副市長やイタリア首相（マッテオ・レンツィ政権）のアドバイザーなど、政治の第一線で活躍した経歴を持つ。
  • 現在はパリ政治学院で教鞭をとりながら、現代政治に関する鋭い分析で知られる。
  • ロシアのウクライナ侵攻を予見した小説『クレムリンの魔術師』（白水社）でも大きな話題を呼んだ。

目次（本の設計図）

牛っと詰まったエピソード

基礎からわかる牛＆Ａ

重要キーワード解説

心が牛っと掴まれた

  • 1.

    自分の投票行動が、実は見えない誰かに操られているかもしれないという恐怖。SNSを開くのが少し怖くなった。

  • 2.

    「怒り」や「不満」が、これほどまでに強力な政治エネルギーになるという現実に愕然とした。社会の分断は他人事ではない。

  • 3.

    ポピュリズムを単なる「悪」と断罪するのではなく、その仕組みを冷静に解き明かす著者の分析力に引き込まれた。

  • 4.

    政治がまるでリアリティ番組やゲームのように演出されているという指摘は、現代社会の本質を突いている。

  • 5.

    最後の「量子政治学」という概念は、複雑で混沌とした現代を生き抜くための新しい視点をくれた気がする。